私は子供の頃から少々ませていて、3つ年上の姉の影響もあり中学くらいからは洋楽を聴くようになっていました。映画も初めて観に行ったものが「グリース」というアメリカの学園もので(おもいっきり年がバレますが…)、それ以降も海外のものに憧れを持ち続け日本のものにはあまり興味がありませんでした。
高校3年の時に海外へ留学をし、帰国後日本の学校を卒業し、またその後海外で働き、そんな人生を送ってきました。その期間、私は日本人であることにある種コンプレックスを持ち続けて生きてきたような気がします。身長が低く、一重まぶたに黒い髪。言葉もネイティブではなく。そんな中での海外生活で、楽しい反面なかなか自分を表現できない、本当の自分が出せないジレンマに陥っていました。それがある日、友達と日本の作家、村上春樹の話になり、当時大ファンで彼の作品の魅力についてレポートを書いたことがあったりして、かなり熱く議論することができました。その時、これまで友達との議論で私が傍観者になっていることが多かったのは、言葉のせいではなく、自分のこと、自分の国のことを避けて生きてきたからなのだということに気づきました。それから、日本の文化、歴史、宗教、政治に関して勉強をし直し、それを海外の人たちに伝える努力をするようになり、人間的に少しレベルアップできたような気がしました。結果、真の友達が増え、今でもお互いの国の情報等のやりとりをし繋がっています。
先日本屋さんで、7月に亡くなられた三浦春馬さんの「日本製」という本が目に留まり、思わず買ってしまいました。家でページを開くと、奇跡が起こったのです。その本は、ご本人が47都道府県を巡り取材し、それぞれの県で1つずつ、日本が誇れる、遺したいものや場所、風景、人など計47つを紹介するといった内容です。セレクションからご本人がされたとのことです。私が開いたそのページが、ちょうど私の生まれ育った栃木県のページで、紹介されていたのが、家の近くにありよく行っていた「足利学校」だったのです。何か出会うべくして出会った、運命の出会いのような気がしてしまいました。なかみはどのガイドブックとも違う、春馬さんの目線で取材されていて、知らなかったこともたくさん書いてありました。どのページも取材の様子が伺えクスッと笑ってしまう所もあり三浦春馬さんの「日本」に対する愛を感じるあたたかいものになっています。足利学校を「そこだけ別世界」と表現してくれたことがとても誇らしく、これからも大切に守っていかなければならないなと感じました。
海外でも活躍し多くの海外ファンを持つ三浦春馬さんだからこそ、日本の素晴らしさに気づき守りたいと感じてくれたのかなと思いました。この1冊との出会いが、また私に「人生を丁寧に生きる」ことの大切さを教えてくれました。
最後に素敵な言葉を残してくれています。「財産や物はなくなるけれど、知識はなくなったり盗まれたりしない」。英語の知識もまさにそうです。今皆さんが勉強して得た知識は全て自分のものです。これからの人生においてずうっと皆さんを助けてくれるでしょう。
三浦春馬さんの「日本製」。よかったら、読んで何か感じてみてください。
Tomoko